日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
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嚥下補助製品による酸化マグネシウム錠の崩壊性および溶出性変化と錠剤サイズとの関連性評価
松尾 泰佑工藤 賢三
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2024 年 28 巻 1 号 p. 37-42

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抄録

 嚥下補助製品は,嚥下困難者の飲食だけでなく服薬にも有用である.しかし,錠剤の服薬における嚥下補助製品の不適切な使用は,錠剤の崩壊遅延や未崩壊を引き起こし,薬効を低下させることがある.制酸・緩下剤として利用される酸化マグネシウムの錠剤は,臨床において嚥下補助製品を使用して服薬されることがあるが,とろみ剤を用いて酸化マグネシウム錠を服用した患者の便から未崩壊の錠剤が排泄された事例が報告されている.本研究では,3 種類の嚥下補助製品が酸化マグネシウム錠の崩壊性および溶出性に与える影響に錠剤サイズ(直径:7.5 mm,8 mm,9 mm,10.5 mm)による違いがあるのか検討した.キサンタンガム系およびグアーガム系とろみ剤,服薬補助ゼリーに酸化マグネシウム錠を1 分間浸漬させた後,崩壊試験法にて崩壊時間を調べた.その結果,キサンタンガム系とろみ剤および服薬補助ゼリーでは錠剤サイズによる崩壊時間に大きな違いは見られなかった.しかし,グアーガム系とろみ剤では錠剤サイズの小さい7.5 mm 錠および8 mm 錠において他のサイズの錠剤よりも崩壊時間の増大し(p<0.001),特に7.5 mm 錠では著しい溶出率の低下も見られた(p<0.001).従って,8 mm より小さい酸化マグネシウム錠においては,そのサイズが小さい方がグアーガム系とろみ剤の影響を受けやすいことが明らかになった.

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© 2024 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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