2025 年 29 巻 2 号 p. 41-50
【目的】脳血管障害発症後に嚥下障害が残存し,当院にて経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:以下,PEG)を施行した患者(以下,PEG 患者)に対する短期集中集学的嚥下リハビリテーションの効果,退院時の経口摂取の可否に関連する要因について検討した.対象は2020 年4 月1 日から2023 年3 月31 日までの期間に,術前後の短期集中集学的嚥下リハビリテーションを実施したPEG 患者71 例である.
【方法】嚥下リハビリテーションでは,入院当日に嚥下内視鏡検査(videoendoscopic evaluation of swallowing:以下,VE)を実施し,検査結果に基づき嚥下能力に応じた直接嚥下訓練と間接嚥下訓練を,医師,看護師,言語聴覚士,理学療法士,作業療法士,歯科衛生士,管理栄養士等の多職種と連携し術前後に実施した.PEG 患者の入院時と退院時の摂食状況レベル(Food Intake Level Scale:以下FILS)を比較検討し,また,退院時転帰をFILS 4 以上の経口摂取可とFILS 3 以下の経口摂取不可の2 群に分け比較検討した.
【結果】入院時に比し退院時のFILS は有意に高かった(Wilcoxon の符号付順位検定,p<0.001).単変量解析では退院時経口摂取可と入院時のFILS 高値,兵頭スコア低値,入院時の機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:以下FIM)高値,入院時運動FIM 高値,入院時認知FIM 高値の5 変数との間には有意な正の関連があり,多変量解析では兵頭スコア低値(調整オッズ比0.62,95% 信頼区間0.47–0.82,p<0.001),入院時FIM 高値(調整オッズ比1.08,95% 信頼区間1.02–1.03,p<0.001)は有意な経口摂取予測因子であった.
【結論】PEG患者においては,VE等による嚥下機能評価と術前後の集学的嚥下リハビリテーションの実施が望ましい.