日本災害復興学会論文集
Online ISSN : 2435-4147
一般論文
ニューヨークのハリケーン“Sandy”の復興事例からみる復興、レジリエンス、公共政策の関係性
清水 美香
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 12 巻 p. 20-29

詳細
抄録
2012年に米国ニューヨーク周辺を襲ったハリケーン“Sandy”で被災した地域の復興活動では、「レジリエンス」(resilience) の名の下様々なプログラムを通して次の大型ハリケーンや気候変動による今後の影響も大きく視野に入れて取り組んでいるのが特徴的である。特に最も被害が大きかった沿岸部の経済的に恵まれないニューヨーク市沿岸部の地域では、そうした取り組みの中で、市民が中心となって、災害時にあらためて露呈された貧困や地域の繋がりの欠如などの社会経済的な課題への取り組みも同時に行われている。本稿では、復興、レジリエンス、公共政策の関係性に焦点を当て、ニューヨークのハリケーン“Sandy”後の復興活動の具体的なプログラムおよび事例を通して、著者によるフィールドワークやインタビューを元に引き出した沿岸部地域(カナーシー地区およびロッカウェイ地区)の復興活動の実施状況を踏まえ、その関係性を検証し、浮き彫りにする。それを踏まえて結論を提示する。
著者関連情報
© 2018 日本災害復興学会
前の記事 次の記事
feedback
Top