抄録
本稿では、台湾の2009年の台風8号の事例を用い、災害後に被災者が受けた支援の実態および支援とソーシャル・キャピタルとの関係性に着目する。まず、被災者を高齢者と非高齢者に分け、災害直後からの3年間の間に最も必要とされる支援のニーズを把握したうえで、支援の供給面としての私的支援と公的支援のサポートを比較した結果、「情報源」、「心理面」の支援は、非高齢者が受ける確率が高く、一方、この「情報源」、「心理面」の支援は私的支援としても重要な役割を果たしていたことがわかる。さらに、「支援なし」・「情報源」・「心理面」とソーシャル・キャピタルとの関係性を検証し、今後の支援の有り方について提言したい。