日本災害復興学会論文集
Online ISSN : 2435-4147
事例研究
被災地で手しごとを実践する女たち
宮古市田老地区を事例に
佐藤 悦子南 正昭添田 文子
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2016 年 8 巻 p. 1-12

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抄録
本論文では、宮古市田老地区を事例として、東日本大震災からの復興過程にある被災地の日常的実践について探求するため、女性たちがどのように手しごとの場を形成し、実践しているのかを明らかにする。被災地において女性たちは集会所を中心に「○○の会」というようにグループ名を掲げ、さまざまな手しごとを行っている。女性たちの「集まり」の形成は、彼女たちにとって「身近な」ものと感じる支援が契機となるとともに、主体的な対応の結果である。手しごとが実践される集会所では重層的な関係性が構築され、多様な葛藤や苦悩を抱えながらも、女性たちの実践は集まり内部だけではなく、主体的に社会的世界へと参加していく過程にあるといえる。
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© 2016 日本災害復興学会
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