日本災害復興学会論文集
Online ISSN : 2435-4147
一般論文
中越地震被災地における10年目の復興感とそれを醸成したコミュニティ再生施策の展開
複数住民を対象としたヒアリング調査による当事者意識の分析
稲垣 文彦上村 靖司宮本 匠
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2016 年 8 巻 p. 13-24

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抄録
本研究は,中越地震からの10年間の復興検証を目的にした復興プロセス研究会の研究の一環と位置付けられる.まずは,被災集落における地域リーダーのヒアリング調査からアンケート調査に答えた復興意識とヒアリング調査で答えた復興感とが必ずしも一致しないことを明らかにし,その後の複数の住民のヒアリング調査からそれには地域の喪失感が関係していること,また喪失感の違いによって復興活動の指向性が違い,その活動と成果の有無により地域の復興感に違いがあること,そして地域の喪失感を補うのは,住民の当事者意識であることを明らかにした.次に,近年の我が国における農村地域政策の新展開と中越地震からの復興施策の展開を比較し,その二つには類似性があること,その類似性は,①ガバメントからガバナンスへ,②中央政府から地方政府への転換であること,そして中越地震においては二つの転換が背景となって住民の当事者意識が醸成されたことに言及した.
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© 2016 日本災害復興学会
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