抄録
今まで航空機のフライトデータは入手困難なデータであり,解析を行うには特別な環境,契約などが必要であった.そのため今までの解析は限定的だった部分もある.しかしながら,ビッグデータ時代となり,様々なデータが入手可能となった.例えば運航性能モデルに用いることが可能なBASE OF AIRCRAFT DATA (BADA)や気象庁発表の数値予報GPVデータがある.これらを利用し航空機の運航性能を評価している研究も多く,特に航空機の運航を改善できると年間コストも大きく違うことから,コスト削減の意識も非常に高い.本研究では,運航時のSide Slipに注目し解析を行う.Side Slipとは航空機が運航する時,進行方向に対して機首が右または左にずれた状態を数値化したものである.このSide Slipの原因は機体製造時のアンバランス,エンジン推力のアンバランス,またはエルロンのリギングが考えられるが,航空機製造メーカはこれらを明らかにしていない.またこのSide SlipはBADAモデルに記載されておらず,今までの解析例はない.このSide Slipを解析できれば,安全性の観点からは,低視程下での厳しい運航下でオートパイロットをオフにして手動操縦にした時に傾きが発生するのを防ぐことができる.また経済性では,Side Slipによって発生する抵抗を減らすことにより,上昇率と降下率が改善され,巡航時の燃費消費が抑えられるなどの効果が得られる.