抄録
日本の研究力は年々低下しているEUやアメリカ中国などが大学部門の研究開発費(OECD推計)を増加させている一方日本は1990年代後半以降減少しており2019年には2.1兆円となった科学知識生産論文数においても2000年以降日本の世界ランクが低下しているそこで本研究では研究水準維持向上のためデータ包絡分析法(DEA, Data Envelopment Analysis)を用いて科学研究費助成事業(科研費における紐帯の構造と研究成果の関係性を明らかにした結果としてネットワーク閉鎖性が高い科研費プロジェクトは雑誌論文数や学会発表数が多く構造的隙間が多いプロジェクトは次の研究につながる可能性のある関連科研費プロジェクト数が多い特にネットワーク閉鎖性が高く構造的隙間も多い研究プロジェクトは総配分額が少ないながらも一定の成果がありまた研究の広がりも大きいこのことから研究水準維持において目標になりえる科研費プロジェクトの紐帯構造が明らかとなったまたシミュレーションを実施しDEAによって非効率的と判断された科研費プロジェクトを効率的なプロジェクトに5割以上近づけることで研究水準が維持向上する可能性があることが明らかとなった