日本透析医学会雑誌
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原著
透析患者のASOの実態調査
―全国腎疾患管理懇話会加盟施設へのアンケート結果から―
木下 千春井上 賀元神田 千秋永井 源泰武下 清隆田中 義浩
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2010 年 43 巻 2 号 p. 177-182

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抄録
全国腎疾患管理懇話会に加盟している70施設を対象に透析患者の閉塞性動脈硬化症(以下ASO)に関するアンケート調査を実施した.回答率は62.9%であった.本調査での透析患者のASO罹患率は14.3%であった.糖尿病合併例ではFontaine分類IV度の比率が高く,下肢切断となった患者の89.0%は糖尿病合併例であり,糖尿病合併例ではASOが重症化しやすいことが示された.定期的な下肢の観察は77.3%と比較的多くの施設で施行されていたが,ASOのスクリーニング検査は59.1%の施設にとどまった.スクリーニング検査としては88.4%の施設でABI(ankle brachial index)が施行され,その他の検査の利用は少なく,血管エコー,SPP(skin perfusion pressure),TBI(toe brachial index)の利用はそれぞれ34.6%,11.5%,7.7%であった.無症状が多いとされるASO患者の早期発見は必ずしも十分には行われている状況にあるとはいえず,今後の課題であると思われた.
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© 2010 一般社団法人 日本透析医学会
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