【目的】糖尿病合併透析症例の血糖管理の現況をグリコアルブミン(GA)で評価し,予後に対する影響を検討した.【方法】対象は2004年1月1日から2009年12月31日までに山梨厚生病院で維持血液透析をした糖尿病合併症例87例.年齢65.9±10.9歳,男60例,女27例.観察期間中GAを毎月計測して平均した(平均GA).Cox比例ハザードモデルで平均GAの生存への影響を検討した.また平均GAで対象を4群に分割し,Kaplan-Meier法で生存分析を行った.【結果】観察期間は3.1±2.0年で,30名が死亡した.平均GAは21.9±4.1%.平均GAと年齢が有意に死亡を規定した(平均GA:比例ハザード1.108,95%信頼区間1.013~1.213,p=0.026,年齢:比例ハザード1.035,95%信頼区間1.001~1.070,p=0.046).平均GA 24.23%以上の群は19.05~24.02%の群に比べて有意に生存が不良であった(p=0.496,log-rang test).【結論】糖尿病合併血液透析症例の血糖管理不良は死亡危険因子である.これらの症例の透析導入後の血糖管理が重要である.