抄録
Calciphylaxisは,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)に合併する骨・ミネラル代謝異常(mineral and bone disorder:MBD)の一型で,その発症要因は不明とされる.今回,われわれは長期透析を受けている白人男性で,下腿皮膚の有痛性多発性潰瘍により受診し,皮膚生検にて確定診断に至った一例を経験した.Calciphylaxisは難治性のCKD合併症であるが,本症例においてはチオ硫酸ナトリウムを投与したところ,有痛性皮膚潰瘍の著明な改善を観察した.本疾患は,CKD-MBDとしてもまれな病態であるものの,長期血液透析患者の増加とともに注目されてきており,透析医にとってその病像を認識する必要があると思われる.