日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者の血漿8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)と各種パラメーターとの関連についての検討
樋口 輝美眞野 善裕石川 由美子堀田 直山崎 俊男水野 真理大川 恵里奈瀬戸口 晴美永田 郁恵二階堂 杏子白石 恵理香遊佐 美恵堀之内 那美榎本 伸一安藤 英之
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キーワード: 血液透析, 8-OHdG, 栄養, 炎症, ESA
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2012 年 45 巻 11 号 p. 1035-1043

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抄録
目的:透析患者は種々の酸化ストレスの状態にさらされており,8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)は,DNA酸化的ストレスマーカーである.今回維持透析施行中の患者の血漿8-OHdGを測定し,geriatric nutritional risk index(GNRI),アルブミン等の栄養状態,CRP,interleukin-6(IL-6)等の炎症性マーカー,および動脈硬化関連因子であるfetuin-A,腎性貧血への関与,erythropoiesis stimulating agent(ESA)の使用量等との関連について検討した.対象:安定した維持血液透析施行中の患者138名.内訳は男性95名,女性43名で,平均年齢69±11歳(38~88歳)で平均透析歴58±60か月(3~390か月).方法:8-OHdGは高感度enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)にて測定した.またIL-6,fetuin-AもELISA法にて測定した.GNRIはBouillanneらが提唱し,Yamadaらが改変した計算式より求めた.血液生化学検査としてはヘモグロビン(Hb),ヘマトクリット(Hct),アルブミン(albumin),カルシウム(Ca),無機リン(P),副甲状腺ホルモン(Intact-PTH),CRP,尿素クリアランス(Kt/V),PCR,ESA使用量,透析期間等との相関を比較検討した.結果:8-OHdGの男女間の検討では,男性が0.26±0.08ng/mL,女性は0.29±0.09ng/mLと女性で有意な高値を認めた(p<0.05).また8-OHdGは対象患者の年齢と有意な正の相関を認めた(p<0.005).さらに栄養評価の指標である血清アルブミンとは有意な負の相関を認め(p<0.0001),GNRIとも有意な負の相関を認めた(p<0.0001).一方炎症のマーカーであるCRPとは有意な正の相関を認め(p<0.0001),IL-6とも有意な正の相関を認めた(p<0.0001).しかし動脈硬化関連マーカーである,fetuin-Aとは有意な相関は認めなかった.またBUNとは相関関係は認めなかったが,クレアチニンとは有意な負の相関を認めた(p<0.05).その他8-OHdGとESA使用量との関係およびESAとHbの比を検討したところ,8-OHdGが高くなるほどESAの使用量も多い傾向を認めたが有意な相関は認められなかった.しかし,erythropoietin resistance index(ERI)とは有意な正の相関を認めた.結論:DNAの酸化ストレスマーカーである血漿8-OHdGは透析患者において栄養状態,慢性炎症を反映し,エリスロポエチン抵抗性の指標となりえると考えられた.
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© 2012 一般社団法人 日本透析医学会
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