目的:維持透析中の末梢性神経障害性疼痛を有する患者において,プレガバリンの安全性と有効性を検討する.対象:当院および当院附属クリニックにて維持透析中の患者で,選択基準を満たした137名に痛みのアンケート調査を施行し,末梢性神経障害性疼痛を有し同意が得られた患者32例.男性20例,女性12例で平均年齢69歳,平均透析期間92か月.方法:末梢性神経障害性疼痛を有する患者にプレガバリン25mgを初期投与量とし,その後2,4,8週間後にアンケート調査,SF-8,VASスケール,HS-CRPを検査した.また用量は患者に応じて最大75mgまで増量した.結果:めまい,ふらつき,効果不十分等にて服用中止例が12例.25mgの継続例7例,50mgは6例,75mgは7例であった.アンケート結果,VASスケール,SF-8で試験開始前に比べ開始8週後には有意な低下を認めたが,HS-CRPは有意な差を認めなかった.また副作用として眠気,めまいを訴えた患者はいたが重大な副作用は認めなかった.結論:透析患者へのプレガバリンの投与は副作用に注意し,慎重に用量を決めれば,末梢性神経障害性疼痛への効果が期待できる薬剤であると思われた.