2014 年 47 巻 1 号 p. 1-56
2012年末の統計調査は全国の4,279施設を対象に実施され, 4,238施設 (99.0%) から回答を得た. 2012年1年間の年間導入患者数は38,055人であった. 年間導入患者数は2008年以降大きな増減なく推移している. 2012年1年間に死亡した患者は30,710人であり, 2011年の死亡数30,743人よりも僅かに減少し, 透析人口は依然増加し続け, 2012年末の透析人口は310,007人と31万人を超えた. 人口百万人あたりの患者数は2,431.2人である. 2011年末から2012年末までの年間粗死亡率は10.0%であり, 2011年の粗死亡率10.2%からわずかに減少した. 透析導入症例の平均年齢は68.5歳, 透析人口全体の平均年齢は66.9歳であった. 年間導入患者腎不全原疾患では糖尿病性腎症が最も多かった (44.2%). 糖尿病性腎症による年間導入実数は, ここ数年16,000人前後で横ばいである. 透析人口全体で最も多い腎不全原疾患は糖尿病性腎症であり (37.1%), 次いで慢性糸球体腎炎が多かった (33.6%). 糖尿病性腎症は増加し続けているが, 慢性糸球体腎炎は実数も減っている. 2012年末に血液透析濾過 (HDF) を施行されていた患者は21,725人であり, 2011年末の14,115人から大幅に増加した. 特にon-line HDFは2011年末4,890人から2012年末14,069人へと約3倍に増加した. 施設調査結果によれば腹膜透析 (PD) 患者数は9,514人, PDは行っていないがPDカテーテルを腹腔に留置している患者は347人であった. 患者調査によれば1,932人がPDとともに血液透析 (HD) やHDFなど体外循環を使用した透析療法を併用していた. 2012年末の在宅HD患者は393人であり, 2011年末の327人から大きく増加した.