日本透析医学会雑誌
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原著
維持血液透析患者における残腎機能低下の関連因子に関する検討
岡田 知也櫻井 進坂井 理絵子渡辺 カンナ岩田 あずさ菅野 義彦
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2014 年 47 巻 10 号 p. 629-636

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抄録

維持血液透析 (HD) 患者における残腎機能の低下に影響する因子について検討した. 対象はHD患者25名. 透析導入日より60±65日後から蓄尿検査を行い, 尿量200mL/日未満になった時点で残腎機能消失とした. 2年間の月当たりの尿量変化 (ΔUV), 推定糸球体濾過量 (eGFR) の変化 (ΔeGFR) を求め, 臨床指標との関係について検討した. 重回帰分析では2年間の基本体重の変化率がΔUVと有意, ΔeGFRと有意に近い関連を認めた. Cox比例ハザードモデルにより残腎機能消失に関連する因子は, 尿蛋白量, 基本体重の変化率, 初回蓄尿時尿量だった (hazard ratio, 3.30, 0.84, 0.995, p=0.004, 0.04, 0.007). HD患者において, 残腎機能の消失に尿蛋白量, 基本体重の減少が関連していた. 残腎機能の経過と体液, 栄養状態との関係について前向きに検討する必要があると考えられた.

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© 2014 一般社団法人 日本透析医学会
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