日本透析医学会雑誌
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原著
2型糖尿病合併血液透析患者に対するサキサグリプチンの有効性と安全性の検討
生方 政光神山 貴弘能木場 宏彦雨宮 伸幸岩谷 周一細川 俊彦荒川 洋朝比奈 義仁新田 孝作武井 卓
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2014 年 47 巻 12 号 p. 731-736

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抄録

糖尿病血液透析患者に対するサキサグリプチンの有効性および安全性を検討した. 2型糖尿病血液透析患者のうち, グリコアルブミン (GA) 20%以上の13例を対象とした. DPP-4阻害薬の新規投薬患者についてはサキサグリプチン2.5mgを開始し, すでにDPP-4阻害薬を内服していた患者については同2.5mgへ切り替えた. 随時血糖, HbA1c, GAなどに関して3か月間の観察を行った. 1例は心不全加療のため, 1例は嘔気のため離脱した. 随時血糖は開始時201±46mg/dLから1か月後には158±40mg/dL (p<0.05) と有意に低下した. HbA1cは開始時6.8±1.1%から3か月後6.6±0.9%, GAは開始時25.1±3.4%から3か月後22.9±2.6%と有意に低下した (p<0.05). 糖尿病合併血液透析患者における血糖低下の有効性を示唆することができた.

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© 2014 一般社団法人 日本透析医学会
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