日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者におけるHelicobacter pylori感染の現況についての検討
—感染率と除菌成功率について—
脇川 健峰 恵理子
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2014 年 47 巻 12 号 p. 723-729

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抄録

血液透析患者90名のHelicobacter pylori (H.pylori) 感染率を調査し, 除菌成功率の評価を行った. 血清抗H.pylori IgG抗体 (抗HP-IgG抗体) を測定したところ, 透析患者21名 (23.3%) がH.pylori陽性と診断された. 除菌治療に同意された抗体陽性患者17名に, ランソプラゾール (LPZ) 30mg/日, クラリスロマイシン (CAM) 200mg/日, アモキシシリン (AMPC) 500mg/日の3剤を7日間投与し, CAM耐性患者3名には, CAMに変えてメトロニダゾール (MNZ) 250mg/日を用いた. 除菌判定の糞便中H.pylori抗原検査は, 17名中16名 (94.1%) が陰性を示した. 血清抗HP-IgG抗体は, 除菌前24.8±26.4U/mLが6か月後13.9±24.3U/mLと有意に低下した (p<0.05). 今回, 通常除菌の半量以下の服用量でも, 副作用を認めず高率に除菌された.

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© 2014 一般社団法人 日本透析医学会
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