抄録
血液透析患者においてRLSと生命予後の関連について検討した. 当院の維持血液透析患者でRLSの問診をしえた67例を対象とし, 生命予後に対する危険因子の解析を施行した. RLSと診断した患者は10例で, 有病率は14.9%, 平均観察期間は3.2±1.0年であった. RLSの全死因による死亡に対するリスク比は1.79 (95% CI 1.07-2.84, p=0.030) で, 心血管病による死亡に対するリスク比は2.97 (95% CI 1.52-5.99, p=0.002) であった. 血清クレアチニン値, 糖尿病性腎症の有無, 心血管病の合併の有無およびRLSの有無での多変量解析において, RLSはリスク比1.72 (95% CI 1.02-2.73, p=0.044) と, これらの因子とは独立した死亡のリスク因子であった. わが国の単一施設での血液透析患者において, RLSは全死因, 特に心血管病による死亡の危険因子であった.