日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者におけるレストレスレッグス症候群と生命予後の関連
伴野 麻悠子大坪 茂高木 正雄杉本 久之新田 孝作
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2015 年 48 巻 1 号 p. 45-50

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抄録
血液透析患者においてRLSと生命予後の関連について検討した. 当院の維持血液透析患者でRLSの問診をしえた67例を対象とし, 生命予後に対する危険因子の解析を施行した. RLSと診断した患者は10例で, 有病率は14.9%, 平均観察期間は3.2±1.0年であった. RLSの全死因による死亡に対するリスク比は1.79 (95% CI 1.07-2.84, p=0.030) で, 心血管病による死亡に対するリスク比は2.97 (95% CI 1.52-5.99, p=0.002) であった. 血清クレアチニン値, 糖尿病性腎症の有無, 心血管病の合併の有無およびRLSの有無での多変量解析において, RLSはリスク比1.72 (95% CI 1.02-2.73, p=0.044) と, これらの因子とは独立した死亡のリスク因子であった. わが国の単一施設での血液透析患者において, RLSは全死因, 特に心血管病による死亡の危険因子であった.
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© 2015 一般社団法人 日本透析医学会
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