2015 年 48 巻 2 号 p. 83-86
バスキュラーアクセス管理は重要で, シャント血管の開存維持とともに穿刺部の皮膚状態の安定 (保清と皮膚の健康維持) も欠かせない. 今回, 患者自身の事前手洗いおよび穿刺部の消毒に電解水を使用し1年6か月が経過し, その効果を検証した.
協力の得られた患者およびスタッフ合わせて22名を対象に, 手洗い前, 電解水による手洗い後に環境スタンプ (培養) 検査を行った. また, 一部は強酸性電解水による穿刺時消毒後に同様の検査を行った. 生菌数は洗浄後に著しく低下し, 消毒後は消毒範囲では検出しなかった. また, 患者は洗浄・消毒による掻痒感・発赤・湿疹などの皮膚症状は短期的, 長期的にも出現していなかった. 強電解水による手洗い, 消毒は有効で安全である.