日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
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ISSN-L : 1340-3451
原著
ポリスルホン/ハイフラックス膜を使用した血液透析におけるアムホテリシンBリポソーム製剤の透析性の検討
梶原 健吾富田 正郎岡村 景子中川 輝政坂梨 綾三浦 玲藤本 歌織梶原 奈央岩田 康伸信岡 真美子松永 愛子山本 紗友梨大林 寛子吉田 耕一郎向山 政志
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2015 年 48 巻 3 号 p. 163-167

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抄録
【背景】アムホテリシンBリポソーム製剤 (LAMB) は腎機能障害患者においても減量することなく使用できるが, その透析性については不明な点が多い. 今回ポリスルホン/ハイフラックス膜を使用した透析患者における血中濃度を測定したため報告する. 【方法】症例は72歳男性. 侵襲性アスペルギルス症と診断し, LAMBの1日1回連日投与を行った. 透析日は透析中投与を行い, 非透析日では通常静脈投与を行った. 透析中投与ではダイアライザー前後の血中濃度ならびに透析液での濃度, 通常投与では末梢での血中濃度を3日間測定した. 【結果】透析中投与では透析膜前後での血中濃度差に有意差はなく, 透析液濃度はほぼ検出感度以下であった. 透析中投与と通常投与においても血中濃度に有意差を認めなかった. 【結論】ポリスルホン/ハイフラックス膜を使用しても, LAMBは透析に関係なく投与でき, 用量の調節を必要としない可能性が示唆された.
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© 2015 一般社団法人 日本透析医学会
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