抄録
心不全マーカーのヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド (BNP) とそのN端フラグメント (NT-proBNP) は透析患者では高値となり心不全の評価は難しい. 透析患者26名において週末透析後から次回透析前までの両ペプチドの濃度変化を経時的に測定し, 0次速度-線形1コンパートメントモデルを用いてNT-proBNPの動態解析を行い消失速度定数と半減期を求めた. また重回帰分析にてNT-proBNPの消失速度定数の推定をした結果NT-proBNP, BMI, eGFRが影響していた. NT-proBNPとBNPの半減期の平均は15.3±2.7時間, 27.2±10.5分であった. 心機能の重症度に反比例してBNPの半減期は短くなるが, NT-proBNPでは有意な変化は認めなかった. NT-proBNP値を腎機能正常者の場合に換算する式を考案した結果, 心臓エコー検査の評価とよく相関し, 透析患者においても腎機能正常者と同等に心不全の評価が可能となった.