抄録
重症敗血症あるいは敗血症性ショック症例に対するAN69ST膜による持続的血液濾過透析 (continuous hemodiafiltration : CHDF) の短期的有用性を後方視的に検討した. 2013年1月から2014年10月の期間中に重症敗血症あるいは敗血症性ショックにてCHDFを24時間以上施行した連続28例を対象にAN69ST膜使用群11例とPMMA膜使用群17例との2群に分けて, 治療開始後72時間以内の血圧ならびにカテコラミンインデックス (catecholamine index : CAI) を比較した. CHDF開始時において, AN69ST膜使用群で有意にSequential Organ Failure Assessment (SOFA) スコア, AST, ALT, LDH, 総ビリルビンならびにCRPが高値を示した. 2群ともにCHDF開始時と比較し終了時のCAIは有意に低下した. 2群間で血圧, 血圧変化率ならびにCAIに有意差はなかったが, CHDF終了時の時間尿量はAN69ST膜群で有意に多く, またCHDF継続期間は有意に短かった. 後方視的研究ではあるが, AN69ST膜使用によるCHDFは重症敗血症あるいは敗血症性ショック症例に対し, polymethylmethacrylate (PMMA) 膜使用と同等以上の効果がある可能性が示唆された.