日本透析医学会雑誌
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症例報告
臍部単孔式腹腔鏡下副腎摘除術を施行した血液透析患者の1例
野村 威雄福田 悠子宗像 さやか有馬 誠安森 亮吉近藤 能行山崎 六志三股 浩光
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2015 年 48 巻 6 号 p. 371-375

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抄録
近年, 泌尿器科を含む腹部手術領域では, 腹腔鏡手術で使用するトロカー挿入部位を1か所にすることによる低侵襲性および整容性を追及する単孔式手術が施行されている. 切開創を臍にすることによる疼痛軽減や整容性の向上は高齢男性透析患者においても非透析患者や若年女性患者と同様に追及されなければならない. 症例は血液透析8年の75歳男性で, 腹痛精査で施行されたCTおよびMRIにて7.2×6.7×8.9cm大の左副腎腫瘍を指摘され, 当科紹介となった. 臍に沿って3.5cmの縦切開を加えGelpointを装着し, 経腹膜的に左副腎摘除を施行した. 第1病日から経口摂取および歩行開始し, 術後5日目に自宅退院した. 透析患者においても臍部単孔式腹腔鏡下副腎摘除術は, 腹腔鏡手術に熟達した術者であれば安全に施行可能であった.
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© 2015 一般社団法人 日本透析医学会
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