日本透析医学会雑誌
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総説
発展途上国におけるバスキュラーアクセス指導の実際 (カンボジアの場合)
長沼 俊秀武本 佳昭
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2016 年 49 巻 10 号 p. 633-636

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抄録

われわれは, NPO法人いつでもどこでも血液浄化インターナショナル (NPO Ubiquitous Blood Purification International : UBPI) に属して, 発展途上国への透析医療の支援を行っている. われわれはUBPIの活動を通してカンボジアのInternational University Hospital (IU) にてバスキュラーアクセス手術の教育活動を行っているのでこれを報告する. IUのドクターへのバスキュラーアクセス手術の指導は, 私を含めて計6名の日本人医師で行っており, 2010年度より6年間で6名合わせて計15回ほどカンボジアを訪れ, AVFを42件, AVGを1件, PTAを1件こなしている. 今後, 透析療法が普及してゆくであろうカンボジアにおいては安定したバスキュラーアクセスの作製, 管理が必須であり, その技術の普及が急務であるが, 実際の現場においては, 1) 指導を受ける側の諸事情による問題点, 2) 医療機器や薬剤, 設備に関する問題点, 3) 金銭的な問題点, 4) バスキュラーアクセスの管理についての問題点などが存在した.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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