日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
症例報告
末期腎不全患者に発症し市中獲得が疑われた劇症型Clostridium difficile腸炎の1例
盛崎 瑞葉吉藤 歩伊藤 智章川口 隆久篠塚 圭祐杉田 香代子中谷 英章徳山 博文林 晃一林 松彦加藤 はる脇野 修伊藤 裕
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 49 巻 8 号 p. 539-546

詳細
抄録

Clostridium difficile感染症 (CDI) は一般に, 入院患者が抗菌薬使用に関連して発症する下痢症・腸炎として知られているが, 近年, 抗菌薬投与歴のないCDI市中感染も増加傾向である. 今回われわれは末期腎不全患者が全身倦怠感・腹痛を主訴に来院し, ショック・下血を伴い市中獲得が疑われた劇症型CDIにより予後不良な経過をたどった症例を経験した. 本症例は入院翌日に提出した便検体においては食中毒を中心とした検査が行われ, CDI診断を目的とする細菌学的検査が施行されず, 診断が遅れた. 慢性腎不全という免疫能低下状態はCDIのリスクと考えられ, 市中感染腸管感染症としてCDIも鑑別する必要がある.

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
次の記事
feedback
Top