2015年末の統計調査は全国の4,380施設を対象に実施され, 4,321施設 (98.7%) から回答を得た. 匿名化方法を強化した初年度の調査であったが, 施設調査票, 患者調査票とも回収率はほぼ例年通りであった. わが国の透析患者数は年々増加し続け, 2015年末の透析人口は324,986人に達した. 平均年齢は67.86歳で, 人口百万人あたりの患者数は2,592人であった. 最も多い原疾患は糖尿病性腎症 (38.4%), 次いで慢性糸球体腎炎 (29.8%), 第3位は腎硬化症であった (9.5%). 経時的にみると, 糖尿病性腎症および腎硬化症が増加し, 慢性糸球体腎炎は減少している. 2015年の透析導入患者数は39,462人であり, 2008年以降大きな変動なく推移している. 透析導入患者の平均年齢は69.20歳, 原疾患では糖尿病性腎症が最も多かった (43.7%). 糖尿病性腎症による年間導入数は横ばいで推移している. 一方, 2015年の年間死亡患者数は31,068人であり, 年間粗死亡率は9.6%であった. 2012年の診療報酬改定以降, 血液透析濾過 (HDF) 患者数は急増しており2015年末には53,776人に達した. これは2014年末と比較して10,493人増加した. 特にon-line HDFは2012年以前の約10倍に急速に増加した. 施設調査結果によれば腹膜透析 (PD) 患者数は9,322人であり2014年からわずかに増加, そのうち20.0%は血液透析 (HD) やHDFとの併用療法であった. 2015年末の在宅HD患者は572人であり, 2014年末から43人増加した.