日本透析医学会雑誌
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原著
短期間に繰り返す透析シャント再狭窄に対する薬剤溶出性バルーン (drug-coated balloon) の臨床効果
堀田 祐紀
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2017 年 50 巻 1 号 p. 81-86

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抄録

透析シャント狭窄に対する血管内治療 (PTA) は第一選択の治療法とされるが高い再狭窄率が問題である. 今回PTA後の短期間に繰り返す透析シャント狭窄に対してpaclitaxelを塗布した薬剤溶出性バルーン (drug-coated balloon: DCB, SeQuent Please balloon) 治療を行った5症例6病変の成績を報告する. 対象は自己動静脈シャント狭窄4病変, 人工血管内狭窄1病変, 鎖骨下静脈ステント内再狭窄1病変であり, 繰り返すPTAの平均開存期間は3.4±1.9か月であった. 3~4.0mmのバルーンにて前拡張を行い, 3.5mmまたは4.0mm径DCBにて120秒間の拡張を行った. 2病変は7および16か月後に血流障害で再度PTAとなったがDCB拡張部位に再狭窄は認めず, 新規病変が原因であった. ほかの4病変は血流障害を認めていない. DCB後の開存期間は10.8±5.9か月であり, DCB前のPTA開存期間と比較し有意な延長を認めた (p<0.0001).

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© 2017 一般社団法人 日本透析医学会
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