2017 年 50 巻 3 号 p. 191-195
【目的】バックアップオンライン返血機能を搭載したニプロ社製透析用患者監視装置NCV-3の利便性を通常の手動での生理食塩水を用いた返血と比較検討した. 【方法】試験デザインはクロスオーバー法を採用した. NCV-3のオンライン返血と生理食塩水を用いた手動返血を, 透析部臨床工学技士スタッフ4名がそれぞれ8回ずつ独力でシミュレーションし, 返血開始から終了までの時間を計測した. 【結果】バックアップオンライン自動返血の所要時間は個人差がなく, 初回222.0±5.0秒であり, 手動返血にかかる時間 (344.0±14.1秒, p=0.0005) と比較して有意に短かった. 手動返血では実施回数を重ねるにつれ全員の所要時間は徐々に短縮し8回目の所要時間は236.5±9.6秒となり, 自動返血とほぼ互角となった. 【結論】バックアップオンライン自動返血は, 人手をかけず緊急時の返血業務を素早く行うことができる.