日本透析医学会雑誌
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症例報告
標準組成半消化態経腸栄養剤と和漢薬の併用が栄養管理に役立った短腸症候群合併腎不全の1例
若林 華恵小川 真服部 憲幸織田 成人並木 隆雄
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2017 年 50 巻 5 号 p. 295-300

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抄録

62歳男性. 繰り返す癒着性イレウスの後, 57歳で小腸広範切除を施行し短腸症候群 (short bowel syndrome: SBS) となった. 吸収障害による下痢が続き, 高カロリー輸液を行っていたが, カテーテル感染のため継続困難であった. 下痢による脱水, 感染に加えて高シュウ酸尿症による広範な腎結石が形成され腎不全は進行し, 62歳時に血液透析を導入した. SBS合併のある本例では, 通常透析患者には認められない種々の電解質異常を伴い, またアシドーシスも高度で管理に難渋したが, 標準組成半消化態経腸栄養剤と和漢薬の併用により, 経静脈栄養から離脱しても良好な管理が可能であった.

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© 2017 一般社団法人 日本透析医学会
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