日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
特集:CKD-MBD
CKD-MBD新しい話題 (3) ; スクレロスチン
新田 孝作
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 51 巻 11 号 p. 671-675

詳細
抄録

スクレロスチンは, 主に骨細胞から産生され, 骨芽細胞のWnt/βカテニンシグナルを阻害することにより, 骨形成を阻害するタンパク質である. CKDにおいて, 血中におけるスクレロスチンなどのWnt阻害因子の濃度が上昇しており, 無形成骨との関連性が指摘されている. 血中スクレロスチン濃度は, 年齢とともに上昇し, 女性より男性で高値を示し, リン負荷により産生が増加する. ビタミンDやカルシウムもスクレロスチン産生を促進し, CKD-MBDの病態にも関与していると考えられる. CKD-MBDの治療薬としての抗スクレロスチン抗体の適応に関しては, 慎重に判断する必要がある.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top