日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
特集:AKI
AKIに対する急性血液浄化療法
根木 茂雄是枝 大輔東裏 將己矢野 卓郎小林 聡大矢 昌樹重松 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 51 巻 2 号 p. 141-148

詳細
抄録

急性腎障害 (AKI) は入院患者においてもよくみられる重篤な合併症のひとつであるが, その予後は最近数十年来改善されたとは言い難い. また, 血液浄化療法を必要とする重症のAKIの死亡率は60%にも達する. AKIに対する根本治療が存在しない現状から, 血液浄化療法 (RRT) が中心的な治療法となる. しかしながら, RRTに関しては開始基準, 中止基準, modality, mode, 血液浄化量, 抗凝固薬, 浄化膜の素材, バスキュラーアクセス, 透析液・補充液などさまざまな因子がAKI患者の予後に影響を及ぼす. 中でも近年, AKIに対するRRTの開始基準が最も注目されている. 早期のRRTの導入が予後改善につながるか? に関していくつかのrandomized controlled trial (RCT) やメタ解析で検討されている. 本稿ではAKIに対する急性血液浄化療法に関して現況, 問題点について概説する.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top