日本透析医学会雑誌
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症例報告
活性型ビタミンD製剤投与がサルコイドーシスの疾患活動性亢進に影響を及ぼしたと考えられた血液透析患者の1例
牧 建次水政 透津田 晋三品 仁美伏見 文良三井島 渚三井島 千秋中野 敏昭北園 孝成
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2020 年 53 巻 1 号 p. 35-42

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抄録

症例は55歳, 女性. 51歳時に右腎腫瘍摘出を契機に血液透析が開始され, その2か月後より活性型ビタミンD製剤の内服を開始した. 血液透析開始4年後に活性型ビタミンD製剤投与中止後も持続する高カルシウム血症と腰部皮下腫瘤が出現し入院した. 血清リゾチーム値高値, ガリウムシンチでの腫瘤への異常集積, 皮下腫瘤生検による非乾酪性類上皮肉芽腫の存在確認によりサルコイドーシスと診断した. ステロイドによる内服治療で高カルシウム血症と皮下腫瘤は改善した. 本症例の既往にある脳腫瘍と腎腫瘍に類上皮肉芽腫があったことが後に判明し, 以前からサルコイドーシスが存在したことが示唆された. さらに, 活性型ビタミンDは類上皮肉芽腫の形成を促進してサルコイドーシスの病勢に影響を及ぼすことが報告されており, 本症例におけるサルコイドーシスの疾患活動性亢進には活性型ビタミンD製剤投与が関与した可能性が示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本透析医学会
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