感染症は維持透析患者の死亡原因第2位であり対策は重要である. 今回, 当施設での感染症の実態を調査した. 過去5年間に血液浄化療法を施行した入院患者1,174名のうち, 感染症を契機として入院した維持血液透析患者137名を対象として, 感染源と患者背景を調査した. 皮膚・軟部組織感染が67例 (48.9%) で一番多かった. 敗血症は35例, 死亡転帰は16例であり, いずれも皮膚・軟部組織感染が最多であった. 皮膚・軟部組織感染群 (67例) は感染源不明を除くその他の感染源群 (58例) に比して, 有意に年齢が若く, 透析歴および入院期間が長かった. また, 糖尿病性腎症が占める割合が多く, 同部位の感染症による再入院が多かった. 皮膚・軟部組織感染のうち大半を占める下肢慢性創傷の細菌感染は, 抗菌薬治療と同時に血行再建術や外科的処置が必要となる場合があるため, 早期からの下肢慢性創傷管理と感染のコントロールが非常に重要である.