2020 年 53 巻 11 号 p. 547-551
症例は69歳男性. 糖尿病性腎症による末期腎不全のため4か月前より血液透析を施行していた. 冠動脈バイパス手術の既往があり, 心臓外科でCTを施行したところ, 偶発的に左腎腫瘍および多発肺転移を認めたため当科紹介受診した. 転移性左腎細胞癌 (cT1bN0M1, IMDC分類中リスク) と診断し, 免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ・イピリムマブ併用療法を開始した. 投与量は標準投与方法に準じた. 2コース終了時 (6週後) には左腎原発巣, 多発肺転移巣ともに縮小してpartial response (PR) と判定した. 8コース終了時 (18週後) にはさらに腫瘍径は縮小しPRを維持している. 副作用としては, 4コース終了時 (12週後) にGrade 2の甲状腺機能低下症を認めたが, 内服加療のみで速やかに改善した. その他の副作用は認めなかった. 転移性腎細胞癌に対するニボルマブ・イピリムマブ併用療法は, 血液透析患者においても忍容性のある非常に有効な治療法と思われる.