2022 年 55 巻 3 号 p. 187-192
糖尿病性腎症のため58歳時に透析導入となった60歳台女性.X日に発熱を主訴に来院し,人工血管感染に対して人工血管完全抜去術を施行.培養結果はMRSAだった.X+7日に頸部痛精査で頸椎硬膜外膿瘍を認め椎弓切除術を施行.その後,腰椎硬膜外膿瘍,両腸腰筋膿瘍,腰椎化膿性脊椎炎を合併し椎弓切除ドレナージ術や経皮的ドレナージ治療を行った.経過中,抗MRSA薬としてバンコマイシン,ダプトマイシン,リネゾリド(LZD)を使用した.脊椎硬膜外膿瘍と両腸腰筋膿瘍は抗MRSA薬とドレナージにより改善したが,化膿性脊椎炎が残存し抗MRSA薬を長期投与することとなった.LZD投与中にGrade 2(CTCAE v4.0 ‒JCOG)の血小板減少をきたし,テジゾリド(TZD)に変更し63日間投与した.投与期間中,Grade 0(CTCAE v4.0 ‒JCOG)の血小板減少を認めたが,治療を中断せずに継続することができた.TZD投与終了後,血小板数は改善した.治療終了後,感染の再増悪は認めなかった.