2022 年 55 巻 7 号 p. 441-446
【緒言】シナカルセトは優れた副甲状腺ホルモン低下作用を有するが消化器症状の報告が多く,エボカルセトでの消化器症状軽減が期待される.【目的】シナカルセトからエボカルセトへの変更に伴う消化器症状変化を出雲スケールを用いて検討した.【方法】3 施設の維持透析患者のうち二次性副甲状腺機能亢進症に対して変更に同意を得た19 名を対象とした.変更前,変更3 ,6 か月後での消化器症状を前向きに評価した.【結果】有症状患者数は14 名から 3 か月後9 名,6 か月後12 名となった.症状別では胃もたれ症状が変更前0.8±1.3 点[平均±標準偏差]から3 か月後0.7±1.5 点,6 か月後0.1±1.9 点と有意に低下し(p<0.05),下痢も1.1±2.3 点から6 か月後0.6±1.6 点と有意に低下した(p<0.05).一方変更前無症状の5 例全例に新たに消化器症状が出現した.【結語】シナカルセト内服時に胃もたれ症状を有する患者への変更は有効であったが,変更後新たに消化器症状を呈する可能性があり注意を要する.