日本透析医学会雑誌
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総説
新たな中分子量物質分類と血液浄化法の位置づけ
川西 秀樹
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2022 年 55 巻 9 号 p. 509-514

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抄録

血液浄化法の目的は尿毒症毒素を除去することであり,とくに中分子量(MM)が目標になっている.HDF に代表される浄化法が開発され透析低血圧防止・生命予後改善などが示されているがいまだ確定されていない.MM は糸球体を通過する溶質である分子量0.5~58 kDa の範囲として定義され,新たな分類として「small-middle 0.5~15 kDa」,「medium-middle >15~25 kDa」および「large-middle >25~58 kDa」が提唱された.日本ではlarge-middle 領域であるα1 ミクログロブリン(αMG)除去が目標とされてきたが,αMG の生理機能として抗酸化作用が注目され,新たな除去理論が構築されてきている.この機序の臨床的証明がなされれば血液浄化法の更なる発展が得られるであろう.

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© 2022 一般社団法人 日本透析医学会
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