日本透析医学会雑誌
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原著
心不全ステージBの維持血液透析患者における,アンギオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬投与後のヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドの変化:観察研究
藤原 木綿子濱田 治木津 あかね辻本 吉広
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2026 年 59 巻 1 号 p. 7-16

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抄録

維持血液透析患者は心不全合併率が高く,駆出率が正常でも潜在的心機能障害を有する.アンギオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)は心不全に有効だが,ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)を上昇させるため,ドライウェイト設定で体液過剰との判別が難しくなる.一方,N 末端プロB 型ナトリウム利尿ペプチド(NT‒proBNP)はARNI の影響を受けず,30%以上の上昇は心不全悪化の指標とされる.本研究ではARNI 導入102 例を後ろ向きに解析し,hANP・NT‒proBNP・血圧・心胸比・DW を評価した.hANP は約2.2 倍に上昇したが,NT‒proBNP は低下し,血圧・心胸比・DW の悪化は認めなかった.NT‒proBNP 上昇30%未満群ではhANP 上昇は2倍前後で30%以上上昇群より有意に低く,多変量解析ではNT‒proBNP 30%以上上昇と糖尿病がhANP 上昇と関連した.hANP 2 倍前後の上昇は薬理作用による可能性が高いと考えられた.

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