2026 年 59 巻 5 号 p. 334-342
感染症は慢性透析患者の主要死因であり,ワクチン接種は重要とされる.本研究では透析施設のワクチン接種把握・勧奨実態の解明を目的とし,2024年9~10月に滋賀県内および近隣施設を対象にアンケート調査を実施した.回答を得た41施設において,接種把握率/勧奨率は,インフルエンザ(90.2/87.8%),新型コロナ(78.0/63.4%)肺炎球菌(19.5/41.5%),帯状疱疹(4.9/14.6%),麻疹・風疹(2.4/9.8%)であった.B型肝炎(HBV)関連検査は,多くの施設区分で実施率100%に達していたが,小規模クリニックでは57.1%に留まった.またHBVワクチン勧奨率は全体で26.8%と低く,検査による把握が実際の介入へ結びついていない実態が確認された.HBV検査を除き施設属性による明らかな偏りは認められず,管理状況はワクチン種別により大きく異なる現状が浮き彫りとなった.