2026 年 59 巻 6 号 p. 362-371
【目的】透析患者の後悔に関する研究を包括的にレビューし,研究ギャップを特定し,後悔の現状とその要因探索,後悔軽減に関する示唆を得ることを目的とした.【方法】PRISMA‒ScRに基づくスコーピングレビューを実施した.PubMedと医中誌Webより透析患者の後悔に関する原著論文を抽出し体系的に分析した.【結果】採択された7件において,後悔の割合は7.4~62.6%であった.主な要因は,①医師・家族主導の決定,②導入前教育の不足,③予後や保存的療法に関する情報・対話の欠如,④意思決定時の葛藤であった.質的研究からは「生存には透析以外の選択肢がない」という認識の実態や,予後説明および事前指示書作成が後悔軽減に寄与する可能性が示唆された.【結論】後悔の軽減には,医学的予後予測に基づく情報提供と患者中心の意思決定プロセスの確立が不可欠である.今後は,本邦の背景を踏まえた介入プログラムの開発や,後悔の長期的変容を捉える縦断的調査が求められる.