2026 年 59 巻 8 号 p. 492-496
30歳代男性.6年前に尿細管間質性腎炎による慢性腎臓病と診断されたが通院を自己中断した.X年に末期腎不全(血清Cr 28 mg/dL)のため当院を紹介受診し,緊急透析を開始した.左前腕内シャントを作製したが閉塞し,左前腕ループグラフト(arteriovenous graft: AVG)を作製した.慢性的な下痢・下血を認め,潰瘍性大腸炎(UC)と診断され,メサラジンの内服治療が開始された.退院後左前腕浮腫を認め,AVG流出路狭窄に対して経皮経管的血管形成術とステントグラフト内挿術を施行したが,2週間後にAVGが閉塞した.ループスアンチコアグラント弱陽性が判明し,抗凝固療法を加えるも再度血栓閉塞したため,左上腕に新たにAVGを作製した.UC合併例のバスキュラーアクセス作製では,脱水や血栓素因による血栓傾向に注意すべきである.