日本透析医学会雑誌
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症例報告
高度腎障害を併発したトルエン中毒に対し早期の血液透析が著効した1例
黒野 博義, 安積 陽也, 山谷 哲史, 田口 裕司, 髙岡 諒, 中西 昌平
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2026 年 59 巻 9 号 p. 515-521

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抄録

症例は39歳男性.塗装業に従事し有機溶剤乱用歴がある.自動車事故の翌日に不穏状態になり救急搬送された.搬入時,呼気にシンナー臭を認め意識障害と呼吸不全を合併していた.血液検査で高度腎障害,低K血症,AG開大型代謝性アシドーシスを認めた.輸液などの保存的治療では改善せず第2病日から血液透析(HD)を開始した.HD開始後から速やかに尿量が増加,意識レベルの改善も認め第4病日にはHDを離脱した.入院初期に提出した尿検査から馬尿酸が検出されトルエン中毒と診断した.トルエンは肝臓で代謝され馬尿酸として尿中へ排泄される.トルエン中毒では尿細管障害や脱水などが重なり腎障害が引き起こされる.腎障害時は馬尿酸の排泄が低下し毒性が遷延する.本例ではHDにより毒素除去が促進され早期改善につながった.高度腎障害を伴う場合のトルエン中毒では早期のHD療法が有効であると考えられた.

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© 一般社団法人 日本透析医学会
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