人工透析研究会会誌
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Hemoperfusion
平澤 博之小高 通夫小林 弘忠大川 昌権添田 耕司林 春幸菅井 桂雄佐藤 博嶋田 俊恒入江 康文
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1980 年 13 巻 1 号 p. 19-25

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抄録
活性炭を用いた血液灌流 (hemoperfusion, DHP) は, 従来の膜型透析では除去効率の悪い, ないしは除去不可能な中分子量物質を効率良く除去出来るという大きな特徴を有している. この特徴を利用し, 我々はDHPと従来のhemodialysisを組み合せ, 3時間維持透析を行い, 3時間でも充分維持透析が可能であるとの結論を得ている. さらにDHPはuremic toxin-(s) に起因するとされているuremic pericarditis, 劇症肝炎に伴うhepatic comaの治療等にも有効である. また最近, 細網内皮系が抑制されている時期に, DHPにいわば人工的細網内皮系として血中のtoxinや微細異物を除去してくれる事を期待し, 急性腎不全, 特に重症感染症を合併し, いわゆるmultiple organ failureの1分症として発症する急性腎不全にDHPを用い効果をあげている. 以上DHPの臨床応用について自験例を中心に報告した.
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© The Japanese Society for Dialysis Therapy
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