人工透析研究会会誌
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Hemofiltrationにおける補充液至適Ca濃度の検討
新保 隆郎飛田 美穂白水 倶弘中村 一賀斉藤 博佐藤 威
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1982 年 15 巻 3 号 p. 281-284

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抄録
HemofiltrationにおけるCa balance studyを, 慢性腎不全患者5例を対象として施行し, hemofiltration補充液の至適Ca濃度について, 若干の検討を行った. その結果, 現在一般に使用されている補充液のCa2+濃度3.5mEq/lではCa balanceがnegativeになることがあり, この傾向は, hemofiltration施行前の血漿Ca濃度が高いほど, また除水量が多いほど強かった. 透析液Ca2+濃度3.5mEq/lで5時間のmaintenance hemodialysisの際には, 約400mg程度のCaが体内に移行するが, hemofiltrationにおいて, 同程度のCaの体内への移行を期待するならば, 補充液のCa2+濃度は, 4-4.5mEq/lが適当であると考える.
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© 社団法人 日本透析医学会
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