2017 年 59 巻 2 号 p. 196-202
症例は55歳,男性.主訴は下腹部痛,血便.初診時の腹部造影CT検査にて門脈右枝の造影欠損と下行結腸の浮腫性の壁肥厚とを認め,急性門脈血栓症を併発した大腸炎が疑われた.大腸内視鏡検査では下行結腸に全周性の粘膜浮腫・出血を認めた.臨床症状や内視鏡所見より虚血性大腸炎と診断した.第13病日の大腸内視鏡検査では虚血性大腸炎の所見は著明に改善していた.急性門脈血栓症に対しては抗凝固療法を開始し,退院2カ月後のCT検査で血栓の消失が確認された.急性門脈血栓症を併発した虚血性大腸炎の症例は稀であり今回報告した.