日本透析療法学会雑誌
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慢性腎不全患者の透析期間別にみた細胞性免疫能
大園 恵幸村谷 良昭川冨 正弘平井 義修原田 孝司原 耕平田浦 幸一松尾 新一郎広瀬 健松隈 玄一郎船越 衛一
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1988 年 21 巻 11 号 p. 1027-1031

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抄録
透析中の慢性腎不全患者46名について細胞性免疫能の検討を行った. 細胞性免疫能については, 末梢血リンパ球数, T cellおよびB cellの百分率, ツベルクリン反応, PHA幼若化反応, T cell subset, T cell functionなどについて透析期間別 (導入期, 維持透析5年未満および5年以上) について検討した.
透析患者の末梢リンパ球数, ツベルクリン反応, PHA幼若化反応の低下およびT cell subsetの異常を認めた.
透析期間別では, 特に導入期にツベルクリン反応, T cell functionなどの低下を示し, 維持透析期にはそれらの免疫能は回復傾向にあり, 5年以上の長期透析例は再び低下傾向にあった. 細胞性免疫能が関与する感染症でとくに結核症は透析導入期および長期透析時に留意すべきと考えられた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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