日本透析療法学会雑誌
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透析患者における大腸検診の試み
免疫学的便潜血反応の検討
小松 ますみ宍戸 洋大平 恭子松田 悦子飯田 香若生 実千代関野 宏桶渡 信夫浅木 芳
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1988 年 21 巻 6 号 p. 551-556

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抄録
目的: 近年大腸癌が増加傾向にあり, 透析患者にも大腸隆起性病変がしばしば発見されているため, 透析患者を対象にヒトHb. に特異性のある免疫学的便潜血反応をスクリーニングに用いた大腸検診を試みた.
対象及び方法: 当病院の年齢30歳以上の透析患者234名に対し, 食事制限なしにRPHA 2日法を試み, 陽性者に下部消化管検査を行った. また, RPHA法施行時に従来の化学的便潜血検査も行った.
成績: RPHA陽性者は, 1回目31例13%, 2回目35例15%で, 計50名21%であった. このうち31名を精査し, 19名 (全対象の8%) に29病変を発見した. その内訳は早期癌1病変 (1名), 腺腫24病変 (16名), 組織未確認4病変 (2名) である. これらの病変者はRPHA 2回共陽性が6名, 1回のみ陽性が13名であった. 尚, 従来の便潜血検査の陽性率は, 全対象の50%以上と高く, 食事・薬剤などによる偽陽性がかなり含まれているものと思われた.
結語: 透析患者では, 通常の大腸検診に比しRPHA法陽性率, 病変発見率共に高く, 病変者は比較的長期透析例に多くみられた. それゆえ, 透析患者では, ヒトHb. に特異的であり食事制限が不要で効率的なRPHA法による大腸検診の必要性が示唆された. しかし病変者で1日法では拾うことの出来ない例もあるため, 反復スクリーニングの必要がある.
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© 社団法人 日本透析医学会
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