日本透析療法学会雑誌
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血液透析治療中のショックと精神的ストレスの関係
血液透析治療中の低血圧・徐脈・ショック・高血圧・意識消失発作にジアゼパムが著効した症例を中心に
柳沢 秀明
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1989 年 22 巻 12 号 p. 1387-1391

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抄録

血液透析中での低血圧・徐脈・ショック・高血圧・意識消失・発熱発作と精神的ストレスの関係を述べた.
症例1は29歳の女性で血液透析開始後1-2時間で低血圧・徐脈・意識消失発作を来した. 発作の予防にdiazepamが著効を示した.
症例2は65歳の男性で血液透析治療中に呼吸困難・下肢の痙攣から低血圧 (収縮期血圧60mmHg)・徐脈 (40/min)・意識消失発作を来した. 発作に対してdiazepam 10mgの静脈内投与が著効を示した.
症例3は52歳の男性で薬剤を変更することなく, 血液透析開始後3時間で収縮期血圧が200mmHgとなり, 多種類の降圧剤が投与されたが血圧の上昇を予防できなかった. Diazepam 10mgの静脈内投与で血圧は上昇しなくなった.
精神的ストレスは自律神経のバランスを崩壊させ, 多様な症状を呈する. 治療としては精神安定剤が著効を示すことが報告された.

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