1990 年 23 巻 1 号 p. 89-92
視力障害, 手指筋力低下, 高齢などにより, CAPDの通常のバッグ交換が困難であった5例の糖尿病患者に対し, 紫外線滅菌によるバッグ交換システム (UVシステム®) を用いたCAPD療法に導入し, 従来のマニュアルによるバッグ交換を行った18例との経過を比較した. それぞれ, 80.3患者・月, 105.6患者・月のCAPD治療期間中, UVシステム®を使用した群では腹膜炎はみられず, マニュアルによる交換を行った群では4回 (26.4患者・月に1回) の腹膜炎がみられた. マニュアルによるバッグ交換が困難であった患者においても, UVシステム®を使用することにより, 安全にCAPDを継続することが可能であった. 種々の合併症を有する糖尿病患者の, CAPD療法への適応の拡大の点で, UVシステム®は有用であると考えられた.