日本透析療法学会雑誌
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メシル酸ナファモスタット投与時の凝固時間に関する検討 -血液透析患者と健常者の比較-
大薗 英一竹内 正至北村 博司松信 精一駒場 祐一青山 俊也河辺 満彦荒井 龍彦飯野 靖彦原 一男赫 彰郎
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1991 年 24 巻 1 号 p. 49-53

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抄録

血液透析患考と健常考の間に, メシル酸ナファモスタット (FUT) の体内動態, 作用動態上差が認められるか否かを検討するためにFUTの全身投与を行い, 血中濃度およびセライト活性化凝固時間 (ACT) を経時的に測定した.
FUTの凝集抑制に関する有効血中濃度は1,580ng/ml以上, 作用発現は投与直後で, 作用消失時間が投与終了後2分と速効性, 短時間作用性を示した.
薬物分布容積 (Vd: HD群0.08±0.07/Nr群0.36±0.23l/kg) 総体クリアランス (CL: 0.02±0.01/0.07±0.04mlmin/kg) はHD群で小さく内シャント等の影響が考えられたが, 血中濃度半減期 (t1/2: 1.04±0.60/1.73±1.49min) 薬物排泄恒数 (Kel: 0.83±0.36/Nr群0.64±0.40min-1) は健常者群より良く, 理論上腎不全による代謝遅延等の問題はないものと思われた.

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